佐保川アクアリウムプロジェクト

佐保川アクアリウムプロジェクト

ー奈良の水辺の生態系調査と生物の飼育ー

放課後研究室ナンデヤ?では、小・中学生が自分の興味・関心に基づいて、様々な研究やプロジェクトを行なっています。

今回はその中の1つ「佐保川アクアリウムプロジェクト」についてご紹介します。

プロジェクトの概要

昨年10月に行った佐保川のフィールドワーク(以後FWと表記します)がきっかけで、教室に水槽を設置し水生生物を飼育し始めました。水換えなどの世話は、プロジェクトに参加しているメンバーがローテーションで行なっています。奈良市周辺の川でガサガサをして、はじめ2匹だった魚が今では6匹になっています。

60cm水槽の導入と水槽会議

1回目のFW終了後のある休日に、プロジェクトメンバー総動員で大きな水槽の設置を行いました。このタイミングで魚は2匹しかいませんでしたが、全員で水槽会議を行い、魚を増やすことが決まりました。日本の川に住む魚(オイカワやクチボソなど)各自飼育してみたい魚を調べ、目標を定めました。

衝撃的な出来事

2度目のFWを行う前に、はじめてFWに行った佐保川のポイントにメンバーの1人が下見に訪れました。すると、大規模な堤防の修復工事が行われており、水辺の草や植物がなくなり、環境が一変していました。FW実施時には水面からたくさんの魚が泳いでいるのが確認できましたが、この時は一切生物の姿が見られず、スタッフとメンバーは衝撃を受けました。

「工事なんかするから」

生き物の姿が消えてしまったことと、堤防工事の関係は明らかでした。水辺の生き物たちは、植物の根っこや影をすみかにするため、コンクリートに覆われて植物が生えなくなることで、すみかを失うのです。教室では「工事なんかするから」という声もあがりました。しかし、人間は水害から大切な人を守るために、長い時間をかけて「治水」をおこなってきたという歴史があります。現代の私たちも「治水」の恩恵を受けて暮らしているのです。今では、環境の保全と治水の両方を実現するために、環境に負荷をかけない治水を行う必要があると考えられています。実際にそのような形で治水が行われている場所があることもわかりました。(治水が悪ではないことに気づいてもらうきっかけを作るために、授業で治水まちづくりの実験を行ったのはまた別の話…)

2回目のフィールドワーク

プロジェクトリーダーの生徒と教室スタッフの奔走、いつもお世話になっている水のいきもの屋さんからの情報で、なんとか2度目のFW開催地を決定することができました。このFWでは、「ヨシノボリ」とエビ2匹が水槽に来てくれました。目標の魚ではありませんでしたが、特徴的な動きをする「ヨシノボリ」はすぐに教室の人気者(魚?)になりました。

ヨシノボリが肉食だった件について

人気の「ヨシノボリ」ですが、実は肉食で、口に入るサイズの生き物であれば食べてしまう可能性があることがわかりました。水槽に馴染むまでの数日間はヒヤヒヤしながら観察していましたが、他の魚を襲うということもなく、無事に混泳することができています。

3回目のフィールドワーク

開催日の数日前から警報級の大雨が降り、川の増水が心配でしたが、当日は快晴に恵まれ予定通りに実施することができました。このFWでは、街中のポイントにも訪れました。住宅街の中にも関わらず、「ドンコ」に出会うことができました。また、堤防に長いヘビがおり、ヘビが水面を這うようにして泳ぐ様子も見ることができました。どうしてヘビは手も足もないのに水面を這うことができるのでしょう…不思議です。移動したあとのポイントでは、メダカやエビやヤゴに出会うことができました。結局このFWでは、「ドンコ」「メダカ」が水槽に加わることになりました。また、今回は連れて帰る前に生き物判定アプリのBIOME(バイオーム)で飼育可能な種類かを確認しました。

今後の展望

今後も、水槽会議で決まった目標の魚を目指して、プロジェクトは継続するようです。次以降のフィールドワークは、候補地の選定やワナの設置も含めてメンバー全員で話し合って実施していくとのこと。メンバー皆が楽しみながら真剣に取り組んでおり、我々スタッフも生徒たちの挑戦を応援し続けたいと思っています。

なお、このプロジェクトの進行にあたって、いつもご協力くださっている皆様には、心よりお礼申し上げます。

 

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